追悼:2015年に亡くなったプログレ関連の方々

 今年も年明け早々ボウイ様が亡くなってビックリです!ニューアルバムが出たばかりなのに・・・。しかし、シラ・ブラック、リン・アンダーソン、ナタリー・コール、BBキング、PFスローン、ベンEキング、パーシー・スレッジ、レスリー・ゴーア、アラン・トゥーサンなどなど、2015も大物ミュージシャンが沢山亡くなりましたね。
 年頭に際し、プログレと多少なりとも縁がありそうなかたで、亡くなった方々を回顧して、改めてご冥福を祈っておこうと思います。
 ボウイ様は、プログレサイトとしても、あまりに大物すぎて簡単には語れないので、ちょっと除外です。よく考えないと、何も言えない気がします・・。
 

Lemmy Kilmeister

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 まずは、最近(12月29日)亡くなったのが、なんといってもレミー・キルミスターさんでしょうね。進行性の癌でした。モーターヘッドはまあメタル、デスメタル、ハードロックにしか関係ないでしょうが、この人は何と言っても、ホーク・ウィンド在籍時に、唯一のヒット曲「シルバー・マシン」のベースとボーカルを担当した人です。
 過激な発言とは裏腹にどうもいい人だったらしく、その死を悼む人も多いです。ちょうど70歳でした。

レミーさんは、ホーク・ウィンドに参加する以前、一時期このサム・ゴパルというサイケデリックバンドにボーカルとして参加し、アルバムを1枚レコーディングしています。これがドラムがいなくて、代わりにタブラ(インド楽器)を使用するといういけてるバンドです。

 ついででなんですが、モーターヘッドではドラマーのフィル・テイラーさんも11月に亡くなっていますな。

Chris Squire

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 プログレ界で2015年に亡くなった一番の大物といえば、間違いなくイエスの創立メンバーにして、最後までバンドを優先した天才ベーシスト、クリス・スクワイア隊長を置いて他にありえません。
 性格は、短期で自分勝手な気がしますが、ともかくも唯一無二のベースプレーヤーですねえ。
 急性骨髄性白血病のため6月27日に亡くなりました。67歳でした。

イエス

2006年ごろ一時期、イエス以前に在籍していたサイケデリックバンド<The Syn>を再結成し、ニューアルバムを出したことがあります。イエス以外でベースを弾く姿は微笑ましいですね。

スティーブ・ハケットのステージにクリス・クワイア、ジョン・ウェットン先生がダブルでベースを弾いています!

Dave Black

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 クリス・スクワイアさんの大騒ぎの陰に隠れて、見逃してましたが、こんな大事な人が亡くなっていました。デイブ・ブラックさんは、マイナーながらマニアに強力に支持され続けているプログポップバンド、ケストレル<Kestrel>の中心人物で、超絶テクと豊かな表現力を兼ね備えたギタリストです。しかし、彼の人生はまあその実力を考えれば、運が味方をしなかったと言っても過言ではないでしょう。なにせ最後は2015年の7月18日(土)に地元の地下鉄に轢かれて死んでいるのが発見されたのです。(発表の時点では自殺かどうかは特定されず。享年60歳)
 ケストレルが、発売元キューブレコードの無関心さもあって結果を残せなかったのち、デヴィッド・ボウイのバックバンドから独立し、ギタリストのミック・ロンソンが脱退したスパイダース・フロム・マースに引き抜かれて、例の赤いクモアルバムでリードギターを弾いたのは比較的有名ですが、バンドはすぐに解散。
 そのあと、昔の仲間を誘ってゴールディー<Goldie>を結成し、全英トップ10ヒットとなった<Make Up Again>など3枚のシングルを発売。その後も747というバンドをやりますがついにレコードデビューできず。その後は、ニューカッスル近くの海岸沿い(イングランド東北部の海岸地帯)に戻って、地元ミュージシャンとしてコメディ・ミュージシャンのバンドなどで仕事をしていたようです。

ケストレル

本人のインタビューやゴールディーの映像

かれの娘が、なぜかスティングの曲をトリビュートとして歌って、事故のあった翌月アップしています。この曲は、デイブ・ブラック自身がアレンジして歌を入れたデモバージョンが存在するようなので、生前に娘に歌わせるつもりで用意していたのかもしれません。とにかくここに使われたたくさんのプライベート写真を見ると、いかに娘を大事にした普通の男だったかがわかって泣けますね。バックのキーボードはなんとケストレルのジェン・クックが弾いてますよ!(驚き)

Jimmy Greenspoon & Cory Wells

グリーンスプーン

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 転移性黒色腫という悪性皮膚癌で、3月11日にキーボードのジミー・グリーンスプーンさん(享年67歳)を亡くしたスリードッグナイト<The Three Dog Night>は、10月20日には、今度は3人のボーカリストの一人コリー・ウェルズさん(享年74歳)を骨髄腫で亡くしました。2人ともオリジナルメンバーでしたね。
 もちろんスリードッグナイトはポップバンドですが、ほとんどが人の曲のカヴァーなのでアレンジは多彩で、先進的、特にキーボードはカッコよかったです。

Michael Brown

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 マイケル・ブラウンさんといえば、極めて若いころにニューヨークのバンド、レフトバンク<The Left Banke>を結成して、その最大のヒット曲「いとしのレネ」<Walk Away Renée>を作曲したキーボーディストとしてのみ記憶されていることが多いですが・・、レフトバンク後に結成したストーリーズ<Stories>の功績も忘れてはならないと思います。3月19日に心臓病で亡くなりました。65歳でした。
 レフトバンクも、バロック・テイストのポップバンドでしたが、ストーリーズはけっこうプログレッシブな要素があるバンドだと思います。もともとブラウンさんのソロアルバムのつもりで企画したレコーディングに、二人の父親がともに昔一緒に仕事をしていたヴァイオリニストであったという縁で紹介されたボーカル&ベースのイアン・ロイドさん。彼をレコーディングに招いたことがバンド、ストーリーズを生むきっかけとなりました。
 彼らのファーストアルバムからのシングル「アイム・カミングホーム」はヒットしませんでしたが、これはアメリカンなテイストと時にクラシカルなアレンジ、効果的なストリングスなどが絶妙に溶け合ったアルバムです。
 まあ、もちろんストーリーズはセカンドアルバムからのホットチョコレートのカヴァー曲「ブラザー・ルイ」の一発ヒットで記憶されることになるんですけどね。

ファーストアルバムは、結構クラシカルな曲も

 ちなみにイアン・ロイドさんの方は声質を買われてか、よくイエスのアルバムのバッツキング・ボーカルなどに参加しています。実は結構、ジョン・アンダーソン教祖のトラ(代替え)ボーカルもやってるんじゃないかという疑いがありますね。(笑)

Daevid Allen

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 そしてもちろんプログレ界としては、この人を忘れるわけにはいきません。3月13日に癌で亡くなったデイビッド・アレン翁は、享年77歳。ギンズバーグやテリー・ライリー、バロウズとも親交のあった彼はほぼビートニク世代の人ですね。
 オーストラリアからパリへ、そしてイギリスに渡った彼こそが、若いケヴィン・エアーズ、マイク・ラトリッジ、そして16歳のロバート・ワイアットを率いてオリジナルのソフト・マシーンを結成した張本人です。しかし、正式にリリースされたデビューアルバムの時点では、ドラッグでイギリスから国外退去状態であったため参加できず、フランスで、パートナーのジリ・スマイスらとともにコミューン的なバンド、ゴングを結成するのです。
 その後死ぬまで「ぐるぐる巻き」の教祖として活躍されました!

John Renbourn

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 もちろんフォークのジョン・レンボーンさんはプログレ関連とは言えませんが、非常に偉大なギタリストなのでおまけで。60年代末にバート・ヤンシュさんや、ダニー・トンプソンさん、ジャッキー・マクシーさんらとペンタングルを結成し、トラッド、フォーク、中世音楽、ジャズなど多くのジャンルの影響を受けた音楽を作りました。初期のソロアルバムでは、見事に中世的な世界観を表現しています。

アルバムの最後に入っている<Scarborough Fair>は、S&Gが歌ったヒット曲、スカボロフェアーの原曲が中世にまでさかのぼる古いバラッドであることを思い出させてくれます。

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