追悼、ポール・バックマスター巨匠!

 おそらく、ロック界の大ストリングス・アレンジャーとして知られている、ポール・バックマスター<Paul Buckmaster>巨匠が、11月7日、お亡くなりになりました。71歳でした。
 チェリストととして出発されたバックマスター巨匠は、イギリス/イタリアのハーフだったらしいですね。最初の大きな仕事は、ビージーズのオデッサ(「メロディー・フェア」や「若葉のころ」が入ってる!!)でのチェロ演奏。同じ年に、デヴィッド・ボウイの名曲<Space Oddity>で自らチェロを弾き、アレンジを担当します。
 そして何より彼の名前を一躍有名にしたのが、エルトン・ジョンさんとの一連の仕事でしょう。初期のエルトンの名曲のストリングスは、ほとんどこの人のアレンジです。
 他にも、ニルソンの「ウィズアウトユー」や、カーリー・サイモンの「うつろな愛」など有名曲もこの人の仕事。レナード・コーエン、ショーン・フィリップス、ローリング・ストーンズ、モット・ザ・フープル、グレイトフル・デッド、スティービー・ニックス、トレイン、ボンジョビ、ベンフォールズ、ダークネス、テイラー・スイフト、ケイティー・ペリー、ガンス&ローゼス・・などなど関わった仕事は数知れませんねえ。最近は映画音楽でも知られていました。

 ただ、プログレ的には、一時期サード・イヤーバンドのメンバーとして、チェロを弾いていたことと、ケヴィン・エヤーズ先生の<Joy of a Toy>、クォターマスのデビューアルバム、キャラバンの「夜ごと太る女のために」などでも演奏していることですかね〜。
 あと、ツトムヤマシタGOの音楽監督やら、フォーカスのタイス・ヴァン・リーアさんのソロアルバムとか、ルパート・ハインさんの最初のソロ・アルバム、クリス・ファーロウさんの隠れたプログレ作<From Here to Mama Rosa>など、渋い仕事もすばらしいっす。
 そうそう、忘れてならないのは、この人はクラシックの素養があるロック/ポップのアレンジャーでもありますが、ジャズ、とりわけマイルスに大きな影響を受けていて、(実際、マイルスの「オン・ザ・コーナー」などでも仕事をしてます)それが結実していると思われるのが、1971年の<The Chitinous Ensemble>(キチン質楽団という意味)名義の超ヘンテコアルバム<Chitinous>だということ。

 総勢30人ものストリングスの人を集めて、ストリングス版のマイルズ的展開というなんとも言えない激レアレコードを作っちゃいました。ほとんど、世間には知られていないですが、これがこの人の一番の偉業かも?
 ともかく、ご冥福をお祈りいたします。

これが噂のキチン質楽団

巨匠のアレンジャーとしての才覚が如何なく発揮された最初の作品とおもわれるのが、ルイス・ギルバートさんが監督した71年の青春映画「フレンズ」のサントラ!タイトルソングなど数曲をエルトンさんが歌っていますが、そのテーマを繰り返すBGM部分などすべてのオーケストレーションを担当されてます。

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