ギリシャを代表する、電子音楽/プログレの祖、ヴァンゲリス・パパサナスィウ<Vangelis Evángelos Odysséas Papathanassíou>さんがパリの病院で治療中に亡くなりました。79歳でした。
日本では、『炎のランナー』<Chariots Of Fire>を作曲したおじいさんですが、82年のオリジナル版『ブレード・ランナー』のサントラの、壮大な宇宙感も忘れられませんねー。
『南極物語』という、南極探検隊のお犬様の映画のサントラも。この人でした!
プログレ・ファンとしては、<666>も忘れられません。
デミス・ルソウスさんらと68年に結成された、ギリシャを代表するプログレバンド、アフロディテス・チャイルドの最後のアルバムですね。実はギリシャは、1967年に軍事クーデターが起きて、政治的も大混乱をきたしていた時期で、ヴァンゲリスさんは、デミス・ルソス、ルカス・シデラスさんらはロンドンを目指して出国していましたが、ビザの関係でイギリスに入国できず、パリでこのバンドを結成したという経緯があるらしいですね〜。
今、考えてもこのバンド皆の方向性が違うので、<666>発売時にはすでに解散状態だったらしいですが・・。
このあと、ヴァンゲリスさんは、リック・ウェイクマンさんの後釜として、イエスに誘われて話題になるのですが、結局これを断ってソロ活動を始めるのでした。
しかし、ジョン・アンダーソン教祖は、とてもヴァンゲリスさんの才能に感心していたようで、80年代に2 人はコラボをして、ジョン・アンド・ヴァンゲリス名義のアルバムをいくつも製作しています。2人のデビューシングル<I Hear You Now>は1979年にイギリスのシングルチャートで8位を記録していますから、大ヒットですね。
2000年のシドニー・オリンピック、2002年の日韓ワールドカップ、2004年のアテネ・オリンピックなどのテーマ曲でも知られていますが、最近では欧州宇宙機関の打ち上げた探査機<Rosetta>(続編として、昨年<Juno To Jupiter>もリリース)をテーマにした音楽の製作にも尽力していました。最後は宇宙で終わった人生ですね。
ご冥福をお祈り致します。
ヴァンゲリスさんが、アフロディス・チャイルドの前、最初に参加してたバンドが、このフォーミンクス<The Forminx>。オルガン弾いてます!