【追記:2023.03.03】「狂気」再レコーディング一部公開
2023.02.09
ロジャー・ウォーターズさんとデイブ・ギルモアさんの場外乱闘はついにいろいろ巻き込んでおかしな方向に向かっているようです!
まずは、ギルモアさんの奥さんである、作家/作詞家/ジャーナリスト、ポリー・サムソンさんが、SNS上でウォーターズさんを罵倒したことにより、ウォーターズさんは、「扇動的でひどく不正確」だとご立腹いで、法的措置を検討中だとおっしゃってます。
その内容は、「悲しいかな、あんたは根っからの反ユダヤ主義者ね、ロジャー・ウォーターズ!プーチンの擁護者であり、嘘つきで、泥棒で、偽善者で、脱税してるし、口パクで、女嫌いで、病気で、嫉妬深い、誇大妄想狂でもあわ。もう、いい加減にしてよ!」というとで670万回以上閲覧されているようです。
この投稿に対し、もちろんギルモアさんは、「すべての言葉が、真実だよ」と言葉少なに同意しておられます。
この言葉の発端になったのは、ドイツの新聞「ベルリナー・ツァイトゥング」のインタビューで、ウォーターズさんがイスラエルが行なっているパレスチナへの残虐行為に対して、イスラエルをナチスドイツ呼ばわりした以前の発言を尋ねられ、「もちろん支持するよ。イスラエルは大量殺戮を行なっている!ちなみにイギリスが植民地時代にやったようにね・・」とお答えになったことのようです。
欧米の人の「反ユダヤ」という感覚は、正直、都合主義で分かりづらい部分もありますが、極右政権の現イスラエル政府は、世界の目がロシア侵攻に向いている間に、ここぞとばかりパレスチナ地域で虐殺行為を行なっているらしいので、この件に関しては、ウォーターズさんも正しい気がしますし、ご本人もこの記事に関して「真実を知っていれば、私は決して反ユダヤ人として非難されることはない」とおっしゃっています。
ただ、近年ウォーターズさんは、ロシアのウクライナ侵攻はNATOに責任があるという信念を公開して、紛争に関する見解により、自分が「ウクライナ政府が支援する殺害リスト」に載っているという主張を続けています。
アメリカの民主党政権が、ウクライナに少しづつ武器を供与することで、少しでも戦争を長続きさせようとしている(武器産業に利益を与え続けるために)という主張は、もっとものような気もしますが、「プーチンは全然悪くない!悪いのはNATOの方だ!ウクライナはプーチンに返すべき!」という主張の方は、どーも頭がおかしくなっとしか思えません。
さらに上記のドイツ紙とのインタビューでは、イスラエルが大量虐殺国家であるだけでなく「中国は台湾に対する権威を主張する完全な権利を有する。最近の米国大統領はすべて帝国主義者で戦争犯罪人である」とも述べているようで、ポリーさんの罵詈雑言も、その辺のバカ発言が我慢の限界を超えたという部分もあるのでしょう。
しかし、ここへきてさらなる馬鹿げた展開です!
ロシア政府が2月8日、ロジャー・ウォーターズに国連でのスピーチを要請し、西側諸国がウクライナに武器を供給していることに対する懸念を表明したと伝えられました。
ロイター通信の報道によると、モスクワはキエフへの武器供与について議論するため、国連安全保障理事会での会議を要請したということです。
ウォーターズさんのスピーチは、さすがに公式の場であるため、日頃の発言より若干トーンダウンし、一般的な反戦感情や即時停戦の要求が多く含まれていたようですが、それでも米国担当のリチャード・ミルズ国連副大使は、「確かに彼はレコーディング・アーティストとして素晴らしい資格を持っていることは認めます。しかし、軍備管理や欧州の安全保障問題の専門家として話をする資格は、私にはあまりないように思える」とコメントしました。
ウクライナのセルギー・キシュリツァ大使は、「ロシアの偽情報とプロパガンダの壁という壁の中のレンガにすぎない役割を受け入れているのを見るのは、彼のかつてのファンにとってどれほど悲しいことか」と、ウォールに引っ掛けたコメントをしていますね。
もちろん、ロシアのドミトリー・ポリアンスキー国連副大使は「現代の反戦運動の最も著名な活動家の一人であるロジャー・ウォーターズ氏から、非常に正確な事象の分析を聞いたところです」と賞賛の言葉を贈りました。
ウォーターズさんは「ロシアによるウクライナへの侵攻は、可能な限り強い言葉で非難する」という一方で「また、ロシアによるウクライナ侵攻はいわれのないものではなかったため、私は挑発する側を可能な限り強い言葉で非難する。これで一件落着だ」とも付け加えます。
「どうやら、権力者たちは、私たちが皆できる唯一のことは永久戦争であると考えているようだ!なんてクレイジーなんだ!だから、40億人ほどのサイレントマジョリティーと、有権者を代表して国際的な反戦運動の数百万人とともに、もう十分だと言おう!私たちは変化を求める!バイデン大統領、プーチン大統領、ゼレンスキー大統領、アメリカ、NATO、ロシア、EU、すべての人が今すぐ軌道修正し、ウクライナの停戦に同意してください。もちろん、それは出発点に過ぎないが、すべてはその出発点からはじまるのだ!」
お言葉自体は立派ですが・・・、どうもウォーターズさんのお考えられている世界平和は、共産主義政権と資本主義政権がもう一度冷戦時代の線引きに戻るべきだということのようです。
この人の頭の中には、気の狂った独裁者の下で、ひどい目にあう当事国の国民の姿は全く目に入らないか、全てがフェイクニュースで、ロシア、中国、北朝鮮などでは、国民がみなハッピーに暮らしているはずだと確信しているのでしょう。
アルバニアの外交官は「彼は幸運にもニューヨークという自由な国にいて、自分の意見を言い、ロシアの侵略やそれがいかに間違っているかということも含めて、好きなことを言うことができる。し彼がロシアにいたら、彼の発言で、今頃は拘束されていたかもしれない」と揶揄しました。
まあ、このようなわけでウォーターズさんと、ウクライナ支援のためにシングルを発表したギルモアさんらとは、決定的に仲がこじれているのは確かです。そのせいでしょうか?最近、ウォーターズさんは、かつてピンクフロイドとして発表した名作アルバム「狂気」<The Dark Side of the Moon>を、気に入らない他のメンバーを全て抜きにして自分一人で再レコーディングしたようです。このアルバムは、5月ごろリリースされる予定とか。
ウォーターズは、テレグラフ誌の取材に対して、かつてのバンド仲間のことを「彼らは曲も書けないし、言うことも何もない。彼らはアーティストではない。彼らはアーティストではない!彼らにはアイデアがない。そして、それが彼らを狂わせるんだ」とバカにして、さらにウクライナについても「ウクライナは深く分裂した国だ」とし、「1956年のフルシチョフ以来、国として成立していない。だから、パッチワークのような曖昧な実験なんだ」として、国として認めない発言をしています。
この「狂気」新レコーディングに立ち会ったテレグラフ誌のトリストラム・フェイン・サンダースは、「あの若者が死を嘆く「タイム」が、老人の音色で素晴らしく響く。「生命の息吹き<Breathe>」は、スローでアコースティックなグルーブとして素晴らしく生まれ変わった。カントリー調の「マネー」は、後期のジョニー・キャッシュの曲のようで、ウォーターズは音域の一番下でカリスマ的にうなっている。しかし、驚くべきことに、ウォーターズは、オリジナル・アルバムの美しいインストゥルメンタル・トラックの何が問題だったかというと、ウォーターズが語り尽くさないことだと判断したようである。今、彼らはそうしている・・」
ということで、インスト曲は、台詞入りになったようですね。(笑)
ウォーターズさんの国連演説